十 六 夜 月




空を見上げて歩いていたら
すっかり迷子になった
高いビルの隙間に浮かぶ
月を追いかけてみた


猫の気分
少しだけね


十六夜の月は
端がほんの少し欠けてて
気にならぬほどの歪みに
安心する自分がいた


完璧なんてつまらない
ちょっとだけ天邪鬼に


月を追いかけながら
歩いた初めての街
多分迷子だったけど
迷うのはけっこう楽しい







リンクバナー作成御礼として、
水葵常夏さまへ謹んで押しつけさせていただきました。




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