月
ひそひそと風を受けて散る花弁の行方は 白々と彼方ににじむ月の向こうにある 誰も知らない夕べの約束と同じ場所
あのころの痛みの意味を今も確かに探している 花弁は切なげな色を地面に注ぎ 忘れられない自身を責めるばかり 月は遥かに笑っている ひそやかに輝きながら
ろうそくの明かりとやさしい孤独 星々の輝きを殺す天頂の月は独り
雑踏の中に知る人のない私も独り