私の中の幻は
雨の香りを慈しむ


雨の香りはしくしくと痛み
見知らぬ夢の在かを求める
私の中の幻は
触れ得ぬ両手をさしのべて
儚い声音で消えてゆく
私の夢を見るだろう


雨の香りに溶けて
なお
私の中の幻は
飽かず見つめることだろう








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