恋 華
(れんげ)




いつか散ることを恐れて
私はそれを手折った
実りの可能性を奪って
その色を愛した


押しつぶされて
乾いて
色あせたそれがふいに
零れ落ち


細心の注意をはらったであろうそれの
存在をそうして思い出す
長い月日の後の
すでに遠い思い出として








/BACK/