恋 華(れんげ)
いつか散ることを恐れて 私はそれを手折った 実りの可能性を奪って その色を愛した
押しつぶされて 乾いて 色あせたそれがふいに 零れ落ち
細心の注意をはらったであろうそれの 存在をそうして思い出す 長い月日の後の すでに遠い思い出として