滑落する太陽
獣の骨は凍えて
痛ましく笑う月


誰かと歩く夜は
想いの差異があからさまに透けて嫌い
私の内側で醸されてゆく何か
巣穴にこもる獣の匂い


引きずり上げられて太陽は微笑む
干からびた獣の皮に頬を寄せて
嘲笑う、祈りの無い月


見知らぬ昼は嫌い
くっきりとした輪郭を描く影が
許されぬ孤独をしきりに語る
痛覚を殺して交じり合えば
存在すら曖昧に自覚を無くす


聖なるものと汚猥なるものと
与えられる拒絶は等しくさえ見えるのに


滑落する太陽
祈りの無い月
誰と歩いても傍らによりそう孤独






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