銀 河 鉄 道




併走する明かりを目に
銀河鉄道の存在を夢想する
人家に映る私の影


真暗な山林へ
走り得ぬ幻想の車両を残し
人かその化身か
乗客は常に何ものかの影


併走する車窓に
懐かしい誰かを求めて
彼らのまた彼女らの朧に
記憶の向こうへ儚くゆれる
思うことの
日々に遠のくささやかな影


せわしなく寄り添い、離れ
どこまでも並び失踪する列車は
音も無く
夢にさえ既に定かならぬ眼差しで
忘れ去ることを許している
近づき、また遠のき
疾駆する列車の影


併走する明かりを目に
銀河鉄道の存在を夢想する
ゆるぎなく在るあなたの面影
ふいに消え去るあなたの影







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