想 音
雨脚は強さを増して 周囲に存在するはずのあらゆる音を奪った
思いを馳せれば忍び入る一瞬の空白 埋めるのはけれど雨音
やみくもに耳をふさいだところでそれは 存在しないことにはなりえない
雨繁く虚を満たしゆく 許しのない悲しみに追い詰められているようだ