ピュアバイオレット
葉を茎を むしり捨ててひらり 残る花びらひと色 眠らぬ花の憂鬱な香り
かきまぜる指先 深く沈むベルベット 羽ふるわせる蝶の吐息 鮮やかに暗いバイオレット
青でも赤でもないことを 蔑まれ尊ばれ 散らされた花びらの色は 濁りか深みか
虚飾だけを集めて そこに意味はあるの?
蕊も蜜の魅力もなしでいいと 残されたむき出しのひと色 萎れ枯れるまでの戯れ 装いばかりのバイオレット