夢ニ遊ブ



夢に迷う君のよに
夕べの庭を歩いてみた
手入れ届かぬ荒れ庭に
散る花 散る風 朽ちた白
誰かの姿が隠れている
何かの想いがまぎれている


ゆれてざわりと萩の森
吹いてざわりと夜の風
月影 闇を貫き落ちて
枝先で白く泡のように
散る花々を追う腕青く
解けて
溶けて
消えて 失せ


夢に迷う君のよに
夕べの庭を歩いてみた
薄影ひとつ供につれ
夕べの庭を歩いてみた
萩の枝交わる奥その奥に
今も君はいるだろか
覗き込んでも花の下
私が見るのは夢ばかり





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