ぬくぬく



屋根を覆って雪がふわり
空との境が無い
落ちる影は曖昧で
遠近の区別もなくなる

息とこぼれ
カーテンの隙間に流れた
胸の内から逃げた熱が
雪に混じって落ちる

雪降る一日を告げる
陽光は弱い
頭上に広がる白
朝も、昼も夕も

部屋の中で白く
吐息は冷えて落ちる
身じろぎすれば隙間から
容赦なく入りこむ目覚め

布団の中にぬくぬく
埋もれていられたらいいのに

名残り惜しんで夜の
ぬくもりを手放す
足先の痛みに急かされ
駆け出す早い朝




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