《鳥追いの夢》




蜘蛛糸をからめた草原に
鳥追いは
目覚めの鳥を追い駆ける


月の行方を問えば
星がはるかに海を望み
逆しまに神の獣は身を捩りながら
いまだ遠いさえずりに脅える


だが風が脆い
糸に奪われた行方の先
長き腕は一対、彼らをかき抱く
恋うように
抱き折る


囚われの首を長く差し伸べて
ほろほろと打ちあわせる
細糸とからまるはばたき
やがて月の行方も知らず
星の消える瞬間に伏す草原の深み
波打ち際、鳴く声は応え無く
明けの境に澄んでいる







/BACK/