《鳥追いの夢》
暑 熱




鳥ばかり
あたりに鳴いて
緑いよいよ色を増す


思うに喧騒さえも静寂に似ている真昼
行方知れずの声に惑い
踏みしめた足の下には
数億の見えざる命
なだらかな夢の終焉に陥る
覚悟の無い無垢


何をも抱かず
己が身ひとつよろよろと
望むのは鳥の声
今ここに無い唯一の
緑いよいよ色を濃く


永劫を迷宮と彷徨う旅人は
あり得ぬ鳥の声を追う
緑いよいよ色深く


いよいよ闇は深く濃く






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