《鳥追いの夢》
夜明け




朝まだき
儚く夕べに似た光
白々と吐く息の凍えて消える枯色の原
ざわり、ざわりと


見上げれば空は夜の名残り
ぼんやりと世界はくもり
明哲なのは鳥の声
それさえも
在処は知れず、風の戸惑い


誰もおらぬと啼きながら
赤くかじかんだ手をこすり
夢よ夢よと呼び戻す
誰と交わせる約束か
また、鳥の鳴く
ざわりざわり
枯色の原にうずもれて


光こがれて影を灼く
明確な輪郭は目に痛く
行方知れずの鳥が啼く






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