《鳥追いの夢》 凍 夜
吹きあがる風白く 空を覆う 雪の原広く境無く 影も無く
一面薙ぎ行く雪風は避けるに荒い ささやかな窪みに籠もり 次第に微睡みに落ちる鳥は さらさらり雪吹き溜り 一個の小さな丘となる
獣の遠吠え遠く 啼く風にまぎれ今は微か 暖かな雪の下には 数多の鳥の眠り ゆるやかに氷りゆく夢
影奪い吹く白色の風 始まりも終わりも曖昧な夜